「ホームページ」と「WEBサイト」という言葉は、同じものを指しているイメージがありますね。
「ホームページを公開しました!」「WEBサイトをリニューアルしました!」という風に、どちらも同じ意味で通じます。
実はこの「ホームページ」「WEBサイト」という言葉は別の意味を持っています。
今回はこの違いと、WEBサイトの種類について解説します。
WEBサイトとは?
インターネット上にあるひとつひとつのページをWEBページと呼びます。
このWEBページをひとまとまりにし階層構造を持たせたものが「WEBサイト」です。
ホームページとは?
日本ではWEBサイトとホームページは同じ意味で使われますが、英語圏では明確に区別されています。
「ホームページ」の、「home」とは「拠点・出発点」という意味で使われ、WEBサイトの一部である「トップページ」を指します。
つまり、複数のWEBページで構成された、WEBサイトの一番上に位置しユーザーが閲覧する際の出発点となるページが「ホームページ」です。
日本でインターネットが流行した90年代後半に、「ホームページ・ビルダー」という制作ソフトが普及したため、「ホームページ」=「WEBサイト」という認識が広まったという説もあります。
どちらも間違いではない
WEBサイトとホームページは厳密には別のものを意味することがわかりました。
しかし、一般的にはホームページという呼び方が広まっており、WEBサイトという呼び方は一般的ではありません。
認識としてはどちらもWEBページの集まりを意味して使われています。
相手がどちらを使っているかによって、その言い方に合わせるとスムーズなコミュニケーションが取れ、相手にも伝わりやすいでしょう。
WEBサイトの種類
WEBサイトは大きく8つの種類に分けられます。
- コーポレートサイト:企業の情報を載せるサイト
- サービスサイト:特定の製品やサービスの販売を促進する情報サイト
- 採用サイト:求人を目的としたサイト
- ECサイト:商品を販売するサイト
- ブランドサイト:自社ブランドのファン獲得のためのサイト
- オウンドメディア:ニュースやコラムなどのコンテンツを掲載するサイト
- ポータルサイト:Yahoo!などの様々なコンテンツへの入り口となるサイト
- ランディングページ(LP):製品やサービスの情報に特化した1ページのサイト
サイトによって、目的が異なり費用や、必要な情報などが違ってきます。
コーポレートサイト
コーポレートサイトは企業や組織が自身のブランドやビジネスに関する情報を公開するWEBサイトです。
一般的には、企業の概要・理念、製品やサービスの情報、連絡先情報などを掲載する場合が多く、「名刺代わり」とも例えられます。
主な特徴・役割としては次のようなものがあります。
- 企業の情報発信: 企業の歴史、ビジョン、使命、そしてビジネスの中核を形成する要素など、企業の基本的な情報が掲載されています。
- 製品やサービスの紹介: 企業が提供する製品やサービスに関する情報が記載されています。これには製品の特長や利点、価格、販売店などの詳細が含まれることがあります。
- ニュースやプレスリリース: 企業の最新情報やプレスリリース、イベント情報などが掲載され、最新の出来事や企業の動向を共有します。
- 連絡先情報: 顧客や取引先、メディア、求職者などが企業と連絡を取るための情報が提供されています。
- ブランディングとイメージ戦略: 企業のブランドイメージやポジショニングを強化し、顧客やステークホルダーに対して特定のイメージを伝えるためのプラットフォームとしても機能します。
コーポレートサイトは、企業がオンライン上で自己紹介し、顧客や取引先、求職者などと直接的なコミュニケーションを取るための重要なツールです。
そのため、企業の信頼性やプロフェッショナリズムを示すために、情報は正確でわかりやすく、視覚的にも魅力的に表示されるよう配慮されることが重要です。
サービスサイト
サービスサイトは、コーポレートサイトから特定のサービスに関する情報だけを切り出して提供するサイトです。
企業や、団体などが、オンライン上で自身のサービスを宣伝し、ユーザーに向けて情報を発信するためのプラットフォームです。
主な特徴としては次のようなものが挙げられます。
- サービスの説明: サービスの内容や特徴、価格、利点、提供方法などが詳細に記載されています。これによりユーザーは、提供されるサービスについて理解を深めることができます。
- 事例紹介: 過去の成功事例やユーザーへの提供実績などが掲載され、自社サービスの実績や信頼性をアピールします。
- 料金体系やプランの紹介: サービスの価格設定や利用可能なプラン、料金に関する情報が提供されます。これによりユーザーは適切なプランを選択できます。
- お問い合わせやサポート機能: ユーザーが直接問い合わせを行ったり、サポートを受けたりするための連絡先情報やフォームが用意されています。
- お客様の声やレビュー: 実際にサービスを利用したユーザーのレビューや評価が掲載され、信頼性やサービス品質を証明します。
サービスサイトは、提供されるサービスの性質や規模に応じて多様な形を取ります。例えば、ウェブデザイン、コンサルティング、教育、医療、ITサポートなど、さまざまな分野でのサービス提供者が自身の特色を強調し、顧客の信頼を獲得するためのプラットフォームとして利用されます。
採用サイト
採用サイトは、コーポレートサイトから採用情報を切り出したサイトです。
企業や組織の魅力を伝え、求職者が自社に興味を持ち、応募するきっかけとなる情報を提供することを目的としています。
主な特徴としては次のようなものが挙げられます。
- 企業文化や価値観の紹介: 企業のビジョン、ミッション、核となる価値観、社風などが紹介され、求職者に企業のカルチャーを理解してもらいます。
- 仕事の紹介: 募集する職種やポジション、業務内容、1日の流れ、チーム構成などが説明されます。
- 社員紹介や声: 現在の社員の声や成功事例、社員の声を掲載し、実際の働く環境や職場の雰囲気を伝えます。
- 福利厚生とベネフィット: 提供される福利厚生、ベネフィット、給与、教育・研修制度などの情報が提供されます。
- 採用プロセスと応募方法: 採用までの流れ、応募に必要な書類や、選考フローなどが説明され、求職者が応募をしやすくなっています。
採用サイトは、企業の人材獲得戦略の一環として重要な役割を持っています。優れた採用サイトは、企業の魅力を的確に伝え、適切な人材を獲得するための効果的なツールとなっています。
ECサイト
ECサイトは、インターネットを介して商品やサービスを販売するためのオンラインプラットフォームです。
ECは”Electronic Commerce”(電子商取引)の略称であり、商品やサービスの購入や販売を電子的に行うことを指します。
主な特徴としては次のようなものが挙げられます。
- 商品やサービスの販売: 商品(物理的な商品やデジタルコンテンツ)やサービス(チケット、予約、会員制サービスなど)をインターネット上で販売します。
- 顧客のオンライン購買体験: 商品の閲覧、選択、購入、支払い、配送の手配などの全プロセスをオンライン上で行うことができます。
- セキュリティと支払いシステム: 安全な支払い手段(クレジットカード、PayPal、銀行振込など)を提供し、セキュリティを確保します。
- 顧客サポートと評価システム: 顧客が購入後に製品に対する評価やレビューを残せるシステムを提供し、顧客サポートを行います。
- 商品情報の提供: 商品の説明、写真、価格、在庫状況などの情報を提供し、顧客が正確な情報を得られるようにします。
- マーケティングとプロモーション: キャンペーン、割引、クーポンなどの販促活動を行い、顧客の購買意欲を高めることができます。
代表的なECサイトには、Amazon、楽天などがあります。
インターネットを利用した取引の拡大により、ECサイトは世界中で利用される主要な販売チャネルの一つとなっています。
ポータルサイト
ポータルサイトは、様々な情報やサービスへの入り口となるサイトです。
複数のコンテンツやサービスを一元管理し、ユーザーにとっての情報源や出発点となるようなプラットフォームです。
主な特徴としては次のようなものが挙げられます。
- 多様なコンテンツ: ニュース、天気、メール、検索エンジン、WEBサービスへのリンクなど、様々なカテゴリーのコンテンツやサービスを一つの場所で提供します。
- パーソナライズされた情報: ユーザーが興味を持つトピックやサービスに合わせて、情報をカスタマイズできる機能があり、個々のユーザーにとって便利な情報が提供されます。
- ユーザーエクスペリエンスの向上: ユーザーが簡単に様々なサービスや情報にアクセスできるよう、使いやすいインターフェースやナビゲーションが設計されています。
- コミュニティやフォーラムの提供: ユーザー同士が交流し情報を共有できる場を提供することもあります。掲示板やフォーラムなどのコミュニティ機能が組み込まれている場合があります。
- オンラインサービスへのアクセス: 銀行、ショッピング、メール、ソーシャルメディアなど、様々なオンラインサービスへのリンクやアクセスを提供します。
ポータルサイトは、ユーザーが必要な情報やサービスを一箇所で見つけられるようにすることで、利便性を向上させます。
また、個々のユーザーの好みやニーズに合わせて情報をカスタマイズできることが魅力の一つです。Yahoo!やGoogleなどが有名なポータルサイトの一例です。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、企業や個人が自ら所有・運営するメディアチャンネルやプラットフォームのことを指します。
企業のコラム記事、ニュースレター、ポッドキャスト、ビデオチャンネルなど、自社のコントロール下で集客を目的とした情報やコンテンツを発信するためのサイトです。
オウンドメディアの特徴は次のとおりです。
- 自社がコントロール: 企業や個人が自身のブランドやイメージをコントロールできるプラットフォームです。他のメディアやプラットフォームとは異なり、自由度が高く自由に情報を発信できます。
- ブランド展開と情報発信: 企業のブランドイメージを形成し、顧客とのコミュニケーションを促進するための媒体として利用されます。企業のビジョンや価値観を伝えたり、製品やサービスに関する情報を提供したりします。
- コンテンツマーケティング: コンテンツマーケティングの重要な部分を担っています。企業は自社メディアを通じて有益な情報やコンテンツを提供し、顧客の関心を引きつけます。
- オーディエンスエンゲージメント: 企業は自社メディアを活用して、オーディエンスとのエンゲージメントを高めることができます。コメントやフィードバックを通じた双方向のコミュニケーションが可能です。
オウンドメディアは、企業が独自のコンテンツを通じて顧客やターゲットオーディエンスと関わり、ブランドの認知度を高め、信頼性を構築するための重要な手段となっています。
ランディングページ(LP)
ランディングページ(LP)は、サービスサイトからさらにターゲットや商品を絞って、ひとつの商品やサービスをユーザーにアピールし、特定の行動(購入、会員登録、申し込み、資料請求など)を起こすことを促すために設計された1枚もの(1ページ)のWEBサイトです。WEB版の商品チラシというイメージになります。
主な特徴としては次のようなものが挙げられます。
- 単一の目的: 特定の行動を促進するために設計され、ユーザーがその目的に向けて行動しやすいようにデザインされています。
- 魅力的なコンテンツ: 商品やサービスの特長や利点、キャンペーンの魅力を説明する情報やコンテンツが提供されます。
- 明確なコール・トゥ・アクション(CTA): ユーザーに対して明確な行動を促すためのボタンやリンクが設置され、例えば「今すぐ購入」「無料トライアルを始める」「登録する」などのCTAが配置されます。
- シンプルなデザイン: シンプルで分かりやすいデザインが特徴であり、ユーザーが直感的に行動を起こしやすい構造になっています。
- トラッキングと分析: コンバージョン率やユーザー行動のトラッキングを行い、ページの効果を評価し改善するためのデータを収集します。
ランディングページは、広告キャンペーンやメールマーケティング、ソーシャルメディアなど、様々なマーケティングチャネルで利用され、特定の目的達成に向けた効果的なツールとして活用されています。
「ホームページ」と「WEBサイト」の違いまとめ
ホームページとWEBサイトの違いと、WEBサイトの種類について解説しました。
言葉の意味はどちらも同じで、状況に応じて使い分けるとより良いでしょう。
WEBサイトに目的に応じて、様々な種類があることを紹介しました。
今後の制作を検討する際にご参考にしていただけますと幸いです。