ホームページのデザインというと、まず思い浮かぶのはレイアウトや配色、写真などの見た目かもしれません。
しかし、お客様が実際に読むのは「言葉」です。デザインが目を引くきっかけをつくり、言葉がその印象を確かな信頼に変える——。
つまり、コピー（文章）はホームページの一部であり、デザインそのものでもあるのです。

本コラムでは、企業担当者の方に向けて「伝わる言葉」「読みたくなる言葉」を意識したコピーづくりの考え方をお伝えします。

1. デザインとコピーは“別物”ではない

多くの企業では、ホームページ制作を「デザイナーが見た目をつくり、担当者が文章を入れる」という流れで進めることが少なくありません。
しかし本来、デザインとコピーは分けて考えるべきではなく、一体で設計すべきものです。
なぜなら、訪問者は「デザインを見てからコピーを読む」のではなく、「全体の印象」として感じ取っているからです。
言葉のトーンがデザインの雰囲気とずれていると、どんなに見た目が整っていても違和感が生まれます。
たとえば、スタイリッシュでモノトーンなデザインのホームページに「地域密着・アットホーム！」といったコピーを載せると、視覚と感情のギャップが生まれてしまいます。
逆に、温かみのある配色や丸みのあるフォントで「誠実に、まっすぐに。」といった言葉を添えれば、自然とメッセージが伝わりやすくなります。

2. 「伝わる言葉」と「読みたくなる言葉」は違う

企業サイトでよく見かけるのが、「高品質なサービスを提供しています」「お客様の満足を第一に考えています」といった表現です。
これらは間違いではありませんが、残念ながらどこの会社でも言える言葉になってしまっています。

たとえば、

「地域密着で安心のサポート」
よりも
「すぐそばで、あなたの困ったを支える存在に」

の方が、読む人の想像力に訴えかけます。
機能を説明するだけでなく、どんな気持ちになってほしいかを意識することが、コピーをデザインとして機能させるポイントです。

3. 言葉の「余白」もデザインの一部

コピーを考えるときは、「言葉を詰め込みすぎないこと」も大切です。
企業の担当者ほど、正確さを求めるあまり、文章が説明的になりやすい傾向があります。
しかし、すべてを言葉で説明してしまうと、読む人に考える余地を与えられません。

たとえば、

「創業50年、確かな技術と信頼で地域社会に貢献しています」
よりも、
「50年、まっすぐに。」

のように、あえて言葉を削ることで読んだ人が感じる余白が生まれます。
この余白こそ、デザインが補ってくれる部分です。
写真や余白の使い方と合わせて考えることで、より印象的なメッセージになります。

4. お客様の視点に立った「言葉のデザイン」

コピーをつくるうえで最も重要なのは、お客様目線で考えることです。
企業のメッセージはどうしても「自分たちが伝えたいこと」になりがちですが、お客様が知りたいのは「自分にとってどんな価値があるか」です。

たとえば、

「新しい製品ラインナップを追加しました」
ではなく、
「選ぶ楽しみが、もっと広がりました」

と伝えるだけで、同じ内容でも印象は大きく変わります。
この違いが、「お客様が最後まで読みたくなる言葉」かどうかを分けるポイントです。

5. SEOを意識しながら“自然な言葉”にする

ホームページ制作では、検索エンジン最適化（SEO）も欠かせません。
ただし、キーワードを無理に詰め込むと、読みづらくなり、結果的に離脱を招いてしまいます。

SEOで意識すべきなのは、「検索される言葉を自然に使う」こと。
たとえば「ホームページ制作」「デザイン」「コピー」「企業」などのキーワードを、文章の流れに沿って自然に配置することが大切です。

Googleは「ユーザーにとって有益な情報」を高く評価します。
つまり、人に伝わる言葉こそ、SEOにも強いということです。

6. コピーもデザインも「体験」をつくるもの

最終的に、コピーの役割は「読む人の体験を設計すること」です。
お客様がどんな気持ちでホームページを訪れ、何を感じて離れるのか。
その流れを意識して言葉を配置することで、デザイン全体の印象が変わります。

「伝わる言葉」と「読みたくなる言葉」は、見た目と同じくらい重要なデザイン要素。
コピーを「装飾」ではなく「体験の一部」として設計することで、あなたのホームページはより多くのお客様に届く存在になります。

まとめ

ホームページの成功は、見た目の美しさだけでは決まりません。
お客様の心に届く「言葉のデザイン」を意識することで、伝わり方は大きく変わります。
デザインとコピーは、分けて考えるのではなく、ひとつの体験として設計する。
それが「伝わるホームページ」への第一歩です。